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正会員 テノール

サ行

千代崎元昭
千代崎 元昭(ちよざき もとあき)
北海道生まれ。京都大学経済学部卒業。三井物産株式会社勤務を経て東京コンセルヴァトアール尚美ディプロマコース特待生入学、首席修了。二期会オペラスタジオ30期を飛び級入所、修了する。修了公演「こうもり」(松尾葉子指揮、栗山昌良演出、新宿文化センター)でアイゼンシュタインを歌いデビュー。国内で数多くのオペラ、オペレッタ、オラトリオ等に出演。その間、東京コンセルヴァトアール尚美専任講師及び尚美学園短期大学非常勤講師を務める。藤原俊輔、松下武、R.リッチの各氏に師事。
1987年、ベルリン・ドイチュオーパー(当時西ドイツ)オーディション合格。専属歌手となり、オペラ「フィデリオ」(第1の囚人)を歌いデビューする。その後、三年間で400回を越える公演に出演する。1990年、バス歌手マッティ・サルミネン氏の推薦によりフィンランド国立ヘルシンキ歌劇場専属歌手となる。
1991年、イタリア・ミラノに演奏拠点を移す。ロンバルディア州立音楽院オペラ科入学、イタリア語舞台語及びオペラアンサンブルを学ぶ。マリオ・デル・モナコ国際声楽コンクール及びベッリーニ国際音楽コンクールに入賞。
1992年、トリエステ・ヴェルディ歌劇場「イザボー」(P.マスカーニ作曲)で主役フォルコを歌いイタリアデビュー。同年、名テノールO.ガラヴェンタ氏の推薦によりリヴォルノ歌劇場公演オペラ「ランツァウ家の人々」(P.マスカーニ作曲)に出演。また、オペラ「トスカ」(G.プッチーニ作曲)をソプラノ歌手G.チェゴレア女史の招聘によりブカレスト歌劇場(ルーマニア)、ルツェルン歌劇場(スイス)、コモ歌劇場(イタリア)にカヴァラドッシ役で出演。
1993年、トリノ王立歌劇場「マノン・レスコー」(G.プッチーニ作曲)初演100周年記念テノールに選出されG.ジャコミーニ氏のもと研鑽を積み、デ・グリュー役を歌い同歌劇場にデビュー。同年、オペラ「リゴレット」(G.ヴェルディ作曲)マントヴァ公役をピアチェンツァ歌劇場とブレーシャ大劇場で歌う。他にもロゼートゥム劇場(ミラノ)「仮面舞踏会」(G.ヴェルディ作曲)、グレコ劇場(ミラノ)「カヴァレリア・ルスティカーナ」(P.マスカーニ作曲)などにも出演。ミラノ・スカラ座首席コレペティR.ケッテルソン氏の推薦によりミラノ・スカラ座公演「ドン・パスクアーレ」オーディションに参加する。その後も、「ドン・ジョヴァンニ」「フェドーラ」「魔笛」のスカラ座オーディションに参加する。スカラ座マリオネット劇場公演「魔笛」(タミーノ役・イタリア語)で合格する。
オペラエージェント「ルイーザ・ペトロフ」(フランクフルト・ドイツ)、「ミュージック・フォーラム」(ミュンヘン・ドイツ)、「プロモンティ」(チューリッヒ・スイス)と契約をする。また、イタリア大手オペラエージェント「シルヴェストリ」(ミラノ)とも契約する。1994年ヴェローナ野外劇場オーディション合格、1995年「ナブッコ」1997年「カルメン」1998年「仮面舞踏会」のアンダースタディを担当する。2005年には「アイーダ」(パドヴァ・ヴェルディ歌劇場:企画ヴェローナ野外劇場)でラダメス役を歌う。
1998年よりウィーン国立歌劇場主席コレペティでワーグナー研究家のペーター・ベルネ氏の勧めにより、ワーグナー作品とR.シュトラウス作品にレパートリーを広げる。リンツ歌劇場で「ローエングリン」(ワーグナー作曲)と「ダフネ」(R.シュトラウス作曲)、クラーゲンフルト歌劇場で「ワルキューレ」(ワーグナー作曲)、カターニャ歌劇場(イタリア)「ニーベルングの指環~全4夜」(ワーグナー作曲)公演で「ラインの黄金」(ローゲ役)「ワルキューレ」(ジークムント役)を歌う。また、2001年よりオテロを300回以上歌った師匠のピエール・ミランダ・フェッラーロ氏の推薦により「オテロ」(ヴェルディ作曲)をペチュ歌劇場(ハンガリー)とリベレッツ歌劇場(チェコ)、リエカ歌劇場(クロアチア)で歌う。
約20年間イタリアを中心にスイス、フランス、ドイツ、オーストリア、フィンランド、スペイン、ポルトガル、モナコ、スロヴェニア、クロアチア、セルビア、マルタ、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、ウクライナ、ロシア、ギリシャ、トルコ、イスラエル、エジプト、南アフリカ、アメリカ、カナダ、メキシコ、コロンビア、ヴェネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、台湾など、世界約30か国の歌劇場に出演する。
特に、スロヴェニア国立マリボール歌劇場においては1995年から2007年までの12年間、特別ゲスト歌手として毎年招聘され「ラ・ボエーム」「リゴレット」「椿姫」「ファルスタッフ」「ランメルモールのルチア」「マクベス」「ドン・カルロ」「エルナーニ」「蝶々夫人」「フェドーラ」「ノルマ」「オテロ」「トゥーランドット」「ホフマン物語(仏語)」「ピーター・グライムス(スロヴェニア語・英語)」「真夏の夜の夢(英語)」「こうもり(スロヴェニア語)」「微笑みの国(スロヴェニア語)」「愛の妙薬(スロヴェニア語)」などのオペラやコンサートなど多数の公演に出演し、スロヴェニア共和国より『外国人芸術家功労者賞』を授与される。
2006年には『チェルノブイリ原発事故20周年鎮魂演奏会~レクイエム(ヴェルディ作曲)』(ウクライナ共和国)にテノールソリストとして招聘される。
1998年から2004年までの7年間、イタリア・カザルマッジョーレ市(クレモナ県)に於いて、サンタキアーラ国際音楽アカデミー「ピアノと歌のマスタークラス」(8月中旬から10日間)を主催する。その際、市立歌劇場・コンサートホール・パルマ大学学生寮をカザルマッジョーレ市より無償貸与を受ける。講師には、イタリアピアノ界の巨匠マリオ・デッリ・ポンティ、桐朋学園大学ピアノ科教授山田富士子とヨーロッパで活躍するコンサートピアニスト斎藤京子、声楽では世界的バリトン歌手ロレンツォ・サッコマーニをはじめミラノ・スカラ座発声監督パリデ・ヴェントゥーリ(テノール)、マリオ・デル・モナコから「黄金のトロンボーン」と称されたバリトン歌手マウロ・アウグスティー二、同じくデル・モナコ門下で最も信頼されていたテノール歌手アントニオ・カランジェロ、オペラコーチ(コレペティ)にはペーター・ベルネ(ウィーン国立歌劇場主席コレペティ)とボローニャ歌劇場で10年間活躍した澤木和彦、ディエゴ・クロベッティ(グラーツ歌劇場)、デボラ・モーリなどの各氏を招聘する。
近年の日本での活動は、ニューオペラシアター神戸において2010年2月「蝶々夫人」(牧村邦彦指揮、直井研二演出、佐川吉男音楽賞受賞)ピンカートン役、2012年2月「ラ・ボエーム」(牧村邦彦指揮、直井研二演出)ロドルフォ役を歌う。2017年6月には大阪河内長野市立文化会館主催「ホフマン物語」(原語上演)(牧村邦彦指揮、中村敬一演出)ホフマン役、2018年10月には川西市みつなかホール主催「妖精ヴィッリ」&「外套」(牧村邦彦指揮、井原広樹演出、三菱UFJ信託音楽賞受賞)ルイージ役に出演。
2013年から2017年まで滋賀県長浜市より湖北地域での音楽拡充の依頼を受け、合唱団ノルド・デル・ラーゴを創立し、浅井文化ホールを中心に木之本スティックホール、旧余呉小学校講堂と羽衣ホールにて「オペラ解説」「演奏会」「オペラ」「マスタークラス」「レオンカヴァッロ音楽祭」などを開催する。
また、2011年より『イタリアオペラ研究会 ヴォーチェ・ヴェルディアーナ』を設立し、2011年6月「オテロ」、同年10月「ルイザ・ミラー」、2012年5月「仮面舞踏会」、同年11月「エルナーニ」、2013年6月「ヴェルディ生誕200年記念演奏会」、同年11月「シモン・ボッカネグラ」、2014年7月「第1回十字軍のロンバルディア人」、同年8月「サマーワークショップ」(バリトン歌手:オラツィオ・モーリ氏、コレペティ:デボラ・モーリ女史)、同年10月「イル・トロヴァトーレ」、2015年7月「マクベス」(マクベス:マウロ・アウグスティーニ)、同年11月「アイーダ」、2016年3月「アッティラ」、2017年1月「ドン・カルロ」(5幕版)まで、ヴェルディ作品11演目を上演し、ヴェルディ作品の作曲様式の変化や時代性、宗教観などを解明した。その間、解説を担当した我妻健太氏(日本ヴェルディ協会会員)が放送大学大学院よりヴェルディ研究により「美学・学術修士」を授与される。
2015年5月には、スイス・ブリッサーゴ市で開催された『第20回レオンカヴァッロ音楽祭』に招聘され、世界的ソプラノ歌手アンナ・ピロッツィと「デュオ・リサイタル」を行い『R.レオンカヴァッロ賞』を受賞する。
オペラのレパートリーは、イタリアオペラはもとよりワーグナー、R.シュトラウスなどのドイツオペラ、フランスオペラ、ロシアオペラなど70演目以上を歌い、1200回を超えるオペラ公演に出演する。特に「ヴォーチェ・ヴェルディアーナ」(ヴェルディ作品に適した声)と評される。(レパートリーは別紙添付)
 
声楽テクニックをP.ヴェントゥーリ、P.M.フェラーロ、F.コレルリ、C.ベルゴンツィ、オペラ演奏法をA.ソレジーナ(イタリアオペラ)、E.フェラーリ(イタリアオペラ)、R.ケッテルソン(イタリアオペラ・フランスオペラ)、P.ベルネ(ワーグナー・R.シュトラウス)、P.シュナイダー(ワーグナー)の各氏に師事。また、演出論と演技をP.トレヴィージ、G.ゼンナーロの各氏に学ぶ。
今までに、小澤征爾、大野和士、山田一雄、山本直純、大友直人、松尾葉子、N.サンティ、H.ロペス=コボス、A.フィッシャー、R.パルンボ、M.アルミリアート、S.ペッレグリーノ、G.クローチ、F.M.カルミナーティ、G.クーンなど数多くの指揮者と共演。また、F.ゼッフィレッリ、G.デル・モナコ、P.カルターロフ、P.トレヴィージ、G.ゼンナーロなど有名演出家とも共演する。                      
現在、国際マリオ・デル・モナコ門下会会員(本部:イタリア・トレヴィーゾ)、イタリア・ソムリエ協会会員。大阪市在住。

主なレパートリー
 
【Opera】(全70作品-イタリアオペラ、ドイツオペラ、フランスオペラ)
 
《イタリアオペラ》(53作品) *「魔笛」含む
 
 G.Verdi(18作品)
 ・Nabucco (Izmaere)
 ・I Lonbardi (Oronte)
 ・Ernani (Ernani)
 ・I Due Foscari (Jacopo)
 ・Attila (Foresto) 
 ・Macbeth (Macdaff, Malcolm)
 ・Luisa Miller (Rodolfo)
 ・Rigoletto (Duca, Borsa)
 ・Il Trovatore (Manrico)
 ・La Traviata (Alfredo, Gaston)
 ・I Vespli Siciliani (Arrigo)
 ・Simon Boccanegra (Gabriele)
 ・Un Ballo in Maschera (Riccardo) 
 ・La Forza del Destino (Alvaro)
 ・Aida (Radames)
 ・Don Carlo (Don Carlo)
 ・Otello (Otello, Cassio)
 ・Falstaff (Fenton)
 
 G.Puccini(7作品)
 ・Manon Lescaut (Des Grieux)
 ・La Boheme (Rodolfo)
 ・Tosca (Cavaradossi)
 ・Madama Butterfly (Pinkerton, Goro)
 ・Tabarro (Luigi) 
 ・Gianni Schicchi (Rinuccio)
 ・Turandot (Calaf, Pong, Pang, Imperatore)
 
 P.Mascagni(4作品)
 ・Cavalleria Rusticana (Turiddu)
 ・L'amico Fritz (Fritz)
 ・Isabeau (Folco)
 ・I Ranzau (Giorgio)
 
 R.Leoncavallo(2作品)
 ・Pagliacci (Canio)
 ・La Boheme (Marcello)
 
 U.Giordano(2作品)
 ・Andrea Chenier (Chenier)
 ・Fedora (Loris)
 
 F.Cilea(1作品)
 ・Adriana Lecouvreur (Maurizio)
 
 A.Ponchielli(1作品)
 ・La Gioconda (Enzo)
 
 R.Zandonai(1作品)
 ・Francesca da Rimini (Paolo)
 
 V.Bellini(3作品)
 ・Norma (Pollione)
 ・I Capuleti e i Montecchi (Tebaldo)
 ・I Puritani (Arturo)
 
 G.Donizetti(6作品)
 ・L'elisir d'amore (Nemorino)
 ・Lucia di Lammermoor (Edgardo)
 ・Don Pasquale (Ernesto)
 ・Maria Stuarda (Roberto)
 ・Roberto Debereux (Roberto)
 ・Lucrezia Borgia (Gennaro)
 
 G.Rossini(3作品)
 ・Il Barbiere di Siviglia (Almaviva) 
 ・Guglielmo Tell (Arnoldo)
 ・Mose (Elisero)
 
 W.A.Mozart(5作品)
 ・Don Giovanni (Ottavio) 
 ・Cosi fan tutte (Ferrando)
 ・Le Nozze di Figaro (Basilio, Curzio)
 ・Die Zauberflote (Tamino, Monostatos)
 ・Idomeneo (Idomeneo)
 
《ドイツオペラ》(11作品)
 
 L.van Beethoven(1作品)
 ・Fidelio (Florestan)
 
 R.Wagner(6作品)
 ・Rheingold (Loge)
 ・Die Walkure (Sigmund)
 ・Siegfried (Sigfried)
 ・Die Meistersinger (Walter)
 ・Lohengrin (Lohengrin)
 ・Die fliegende Hollender (Erik)
 
 R.Strauss(3作品)
 ・Ariadne auf Naxos (Bacchus)
 ・Der Rosenkavalier (Der Tenor)
 ・Dafne (Apollo)
 
 C.M.von Weber(1作品)
 ・Der Freischutz (Max)
 
《フランスオペラ》(6作品)
 
 G.Bizet(1作品)
 ・Carmen (Don Jose)
 
 C.Gounod(1作品)
 ・Faust (Faust)
 
 J.Massenet(2作品)
 ・Werther (Werther)
 ・Manon (Des Grieux)
 
 J.Offenbach(1作品)
 ・Les Contes d'Hoffmann (Hoffmann)
 
 C.Saint-Saens(1作品)
 ・Samson et Dalila (Samson)
 
《日本オペラ》(12作品)
 
 ・夕鶴(團伊玖磨作曲)
 ・修禅寺物語(清水修作曲)
 ・三人の女たちの物語(別宮貞夫作曲)
 ・春琴抄(三木稔作曲)
 ・あまんじゃくとうりこ姫(林光作曲)
 ・鬼の女房(杵屋正邦作曲)
 ・セロ弾きのゴーシュ(林光作曲)
 ・赤電車(林光作曲)
 ・たらちね(嵐野英彦作曲)
 ・たらちね パート2(嵐野英彦作曲)
 ・鬼のいる長い夕方(大中恩作曲)
 ・河童譚(石桁眞禮生作曲)
 
《室内オペラ》(日本語訳)(6作品)
 
 ・電話(メノッティ作曲)
 ・アメリア舞踏会に行く(メノッティ作曲)
 ・助けて、助けて、グロボリンクスが来る!(メノッティ作曲)
 ・霊媒(メノッティ作曲)
 ・トランプの手管(バーバー作曲)
 ・行ったり来たり(ヒンデミット作曲)  
 
【Oratorio】(全12作品)
 
 J.S.Bach(4作品)
 ・Messe in h-moll
 ・Matthauspassion
 ・Weihnachts-Oratorium
 ・Magnificat
 
 W.A.Mozart(3作品)
 ・Requiem
 ・Kronungs Messe
 ・Davide penitente
 
 L.van Beethoven(1作品)
 ・Symphonie Nr.9
 
 Handel(1作品)
 ・Messiah
 
 G.Rossini(2作品)
 ・Stabat Mater
 ・Messe Solennelle
 
 G.Verdi(1作品)
 ・Messa da Requiem
 
*上記の記載は出演した主なオペラとオラトリオ。但し、ロシアオペラ、イギリスオペラ、オペレッタ、ミュージカル等は未記入。
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