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沿革

1964年(昭和39年)1月、二期会(現東京二期会)設立の主旨とその活動に共感を得た京阪神に在住する声楽家たちにより「二期会関西支部」として発足。その後1980年(昭和55年)、「関西二期会」と改め、当初研究団体的色彩の強かった時期を経て、声楽の集約的表現ともいうべきオペラに重点を置く演奏団体として活動を開始。2010年(平成22年)4月1日付けで法人格を取得し「一般社団法人関西二期会」となった。さらに2011年(平成23年)12月26日付けで、内閣府より公益認定をうけ「公益社団法人関西二期会」として活動している。
 
現在、その活動は年2回のオペラ公演や年6回の企画演奏会等の自主公演を軸とし、オペラ研修所等によるすぐれたオペラ歌手人材育成事業、学校公演をはじめ会員の多彩な活動を支援する事業に及んでいる。オペラ公演の主な作品としては、1977年11月『利口な女狐の物語』(L.ヤナーチェク)、1983年6月『るつぼ』(R.ワード)等の日本初演や、75回の定期公演及び特別公演を上演している。近年は、2000年『パルジファル』、2001年『ランメルモールのルチア』、2003年『ばらの騎士』、2004年『椿姫』、2005年『タンホイザー』といった意欲的な公演をし、『タンホイザー』では初の海外公演(韓国・ソウル)を成功させ、高い評価を得ている。2006年には『ノルマ』(邦人による関西初演)の公演で好評を博し、2008年には新国立劇場地域招聘公演として初の東京公演(『ナクソス島のアリアドネ』)を成功させた。2010年にはベートーヴェンの『フィデリオ』を公演し高い評価をうけた。
 
創立50周年を迎えた2014年、「魔笛」(2013年公演)が佐川吉男音楽賞を受賞した。これまでの大阪文化祭賞、大阪府民劇場奨励賞、音楽クリティッククラブ賞、尼崎市民芸術賞特別賞、大阪府知事表彰、音楽の友社賞(トヨタ音楽賞)、三菱信託音楽賞、兵庫県文化賞等の受賞歴が示すように、関西二期会のオペラ活動は関西圏のみならず、我が国の文化活動に不可欠なものとして、社会的にも不動の評価を得ている。
 
他方、平成13年度より始まった文化庁のいわゆる巡回公演で訪問した学校数は、既に北海道から沖縄まで300校を超えている。そこでは、私たち演奏者と生徒たちとの感動的な触れ合いが生まれ、次代を担う子どもたちを含む多くの人々と音楽芸術の素晴らしさを共有できる場が作り出されている。
 
関西からの文化発信の重要性が声高に提唱される今、私たちは関西二期会の存在意義を再確認し、今後とも真摯な芸術活動を通じ広く社会に貢献することを目指し、邁進いたします。
 
2020年1月